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ハフポスト日本版の記事について

ニュースサイト「ハフポスト日本版」において、相本啓太記者が執筆した記事「『昼寝うさぎ』が引き起こした福島甲状腺検査の過剰診断問題。専門家が語る『甲状腺がんの自然史』【上】」につきまして、韓国で見つかった微小がんの症例の関する根拠論文が示されていないことから、311子ども甲状腺がん裁判弁護団(井戸謙一弁護団長)は19日、サイトの運営会社であるBuzzFeed Japan株式会社に対し、以下の通知(PDFデータへリンク)をお送りしました。回答期限は1月24日です。BuzzFeed Japan株式会社から、科学的根拠に基づいた正確な回答が寄せられることを期待しています。

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ハフポスト宛通知.pdf
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                         2025年1月9日

被通知人 BuzzFeed Japan株式会社 御中

                       弁護士 井 戸 謙 一

ご 通 知

拝啓

 時下,益々ご清栄のこととお慶び申し上げます。

 当職は,福島第一原子力発電所事故によって甲状腺がんを発症した若者達が東京電力ホールディングス株式会社を被告として損害賠償を求めた裁判において、原告らの代理人を務めている弁護士です。

 先般、貴社が運営するハフポスト日本版にKeita Aimoto氏による「『昼寝うさぎ』が引き起こした福島甲状腺検査の過剰診断問題。専門家が語る『甲状腺がんの自然史』【上】」と題する記事が掲載されました(以下「本件記事」といいます。)。

 本件記事には、後記文章が含まれていますが、そのうち二重鍵括弧部分(以下「本件二重鍵括弧部分」といいます。)の根拠が示されていません。

 つきましては、本件二重鍵括弧部分の根拠についてご教示下さい。

 念のため申し添えますが、本件文章にある「韓国のケース」の出典は、Ahn論文(2014)と考えられますが、同論文中には、「そのうちの多くが頸部リンパ節などに転移していた」との記載はありません。

 なお、御社は、「BuzzFeed Newsは政治家の発言やメディアの報道、ネット情報などを検証する『ファクトチェック』を行っています。」と広報されています。大変有意義な取り組みであると敬服しておりますが、他社の記事だけではなく、御社ご自身の記事についても、厳密なチェックをお願いしたいと考えます。

2025年1月24日までにご回答をお願いします。

また、本通知及び御社の回答は公開いたしますので、ご了解ください。

敬具

 

(文章の表示) 『』は当職。

「まずは韓国のケースです。2000年以降に超音波検査が普及した結果、甲状腺がんの罹患率が大きく上がり、2011年には検査開始前の1993年と比較して約15倍になりました。

多くは1センチ以下の微小がんでしたが、手術で全て摘出しても甲状腺がんの死亡率は変わりませんでした。しかも、『そのうちの多くが頸部リンパ節などに転移していたのです』。

つまり、『転移までしておきながら患者に悪さをしない甲状腺がんが多数あることが、このデータからわかりました』。早期の手術も無駄だったといえるでしょう。」